日本は、オーガニックとは真逆の農薬・化学肥料大国!

日本の農業とオーガニック

皆さんの中には、日本の野菜は世界中でもトップクラスに安全である、と思っている方が多いのではないでしょうか。日本人はあらゆるモノ(食品含む)について”Made in Japan”に対する信用は厚いですから。

ただ、日本で栽培されている野菜に関しては、そのような安全神話が通用しない部分があるのです。その点について以下でご説明いたします。

なお、この投稿は下記記事を参考にさせていただいております。

日本の農薬使用量

日本人は以下の事実を知らない人が多すぎます。と言いますか、この事実を知っている人がほとんどいません。

「日本の耕地1ヘクタール当たりの農薬使用量は中国、韓国に次いで世界3位。米国の5倍、フランスの3.5倍を超えます」

出典元: 日本を農薬大国に育てた“農薬ムラ”の利権構造

中国産野菜の品質が社会的問題になった際に、国内産は安心・安全と言われていました。ただ、海外の野菜が全てが危険というわけではありません。むしろ、下記の統計グラフを見る限りにおいては、国産を選ぶのが安全と言えるのか、という不安さえ感じてしまいます。改めて国産野菜に関する安全性について考えてみる必要があると思うのです。

資料:Faostat 2013/08/04

医学の世界で完全に立証されていない状況ではありますが、残留農薬を含む野菜を食べ続けると、それらが体内に蓄積され、めまいや吐き気、発熱や皮膚の炎症の症状を引き起こすなど、人体に悪影響を及ぼす可能性があると言われ続けています。

欧州の方が日本に渡航する際、以下のような記述のあるパンフレットを渡されたという話もあります。

「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」

出典元:日本人だけが知らない!日本の野菜は海外で「汚染物」扱いされている

欧州では、日本の野菜に対して非常に不安を持っているのです。

ただ、日本国内での農薬使用量は減少傾向にあります。農薬市場ですが、1995年には3,800億円程度の規模でしたが、2015年には3,300億円程度まで減少してきている、という状況なのです。

量だけでなく、日本で使用されている農薬の種類にも問題

日本での農薬問題は、量の話だけではなく、使用が許可されている農薬の種類にも問題があります。

現在、害虫駆除を目的とした農薬の主流は「ネオニコチノイド」です。これは、1990年代まで主流だった有機リン剤に取って代わる形で使用されるようになった農薬です。

有機リン剤は、人体・環境ともに悪影響が大きい、非常に毒性の強い農薬でした。そのため人体・環境への影響を極力抑えるために、毒性が弱いと言われていたネオニコチノイドへの切り換えが進んでいったのです。 有機リン剤と比較すると、ネオニコチノイドは 分解速度が速いため、尿から排出しやすいという特性を有していたこともあり、移行はあっという間に進みました。

ところが、その後の研究により、ネオニコチノイドも人体・環境に無視できない悪影響が出ることが判明しました。そのため、2013年以降はEU全域で使用禁止となり、それに留まらず、アメリカ・カナダ・韓国でも次々に使用禁止となっていきました。残念ながら、そのようなネオニコチノイド系農薬も日本では規制されておらず、現在でも使用が許可されているのです。

世界の作物の多くはミツバチによる受粉により育っていますが、そのミツバチの減少にも影響を与えているとして、その観点でもネオニコチノイドの使用が疑問視されています。 神経に作用して害虫を駆除するネオニコチノイドが、子どもの脳・神経の発達に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。

化学肥料を与えすぎた野菜も問題

また、日本で使用が許可されている化学肥料に関しても問題があります。 ヨーロッパでは硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ:硝酸塩と同義語)に対して厳しい規制があり、その濃度は3,000ppm程度と決められています。それを超える濃度の野菜は市場に出荷できません。しかし、日本では特に規制を設けていないのです。

植物の成長には、窒素・リン酸・カリウム、の三大栄養素が必要です。この中の窒素は、主に硝酸態窒素として植物に吸収されますが、植物は過剰に摂取した硝酸態窒素を、栄養素が吸収できない時に備えて備蓄します。従って多くの肥料を与えて栽培した野菜には、多くの硝酸態窒素が含まれることになります。

硝酸態窒素は、体内にて メトヘモグロビン血症(ブルーベビー症候群)の原因となる成分( メトヘモグロビン)や、発ガン・肝機能障害・生殖機能障害といった健康被害を引き起こす可能性がある成分(ニトロソ化合物)に変化します。

ここで気になるのが、野菜に含まれている硝酸態窒素がどの程度の割合でそのような成分に変化するのか、そして、これらの物質が病状の発症にどれぐらい関連するのか、という点です。

この点については長年研究されていますが、人体における硝酸態窒素の代謝を明確にすることは非常に難しく、また、それによる健康被害に対する因果関係については、研究者でも意見が分かれています。

欧州では健康被害の可能性に重きを置き、野菜に含まれる硝酸態窒素濃度を規制していますが、日本の農林水産省では健康被害の明確な証拠がないことを理由に、現時点では規制を設けていません。

過去には、 硝酸態窒素が体内に大量に取り込まれたことによる死亡事故も起きています。1950年代から1965年頃にかけて、欧米では、ほうれん草による乳幼児の中毒事件が相次ぎました。その中でも、以下に記載した、アメリカで1956年に発生したブルーベビー事件は、全世界に衝撃を与えました。

裏ごししたホウレンソウを離乳食として与えたところ、赤ん坊は真っ青になり30分もしないうちに死亡に至ったのである。278人の赤ん坊がこの中毒にかかり、そのうち39名が死亡した。

出典元:硝酸塩の危険性

日本では同様な事故は起きていないと言われています。しかし、硝酸態窒素の危険性を指摘した『週刊朝日』の1998年3月6日号では、予防医学科学委員会の能勢千鶴子会長が次のような指摘をしています。

「生後6ヶ月未満の赤ちゃんが原因不明で突然死したケースのなかには、硝酸性窒素を多量に含んだ水で溶かした粉ミルクや、硝酸性窒素が多い野菜を使った離乳食を食べたことが原因だったと考えられるものがあります」

出典元:硝酸塩の危険性

ほうれん草の栽培では窒素系肥料を大量に与えることが常態化しています。ほうれん草は 収穫時に濃い緑色の状態であれば黄ばんだ葉が少なくなり、日持ちも良くなるため、出荷調整の手間が省けるからです。その結果、硝酸態窒素の含有量が多くなってしまうのです。

日本は世界でも有数の農薬大国で、耕地1ヘクタールあたりの農薬使用量は、中国・韓国に次いで世界第3位。また、欧米では使用を規制されている農薬や化学肥料の使用が未だに許可されている。

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